綿貫 英彦[日本共産党福岡市議会議員]

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小規模企業の声を反映した中小企業振興条例の改正を。 「要支援」サービスの緩和やめよ

12月議会, 議会報告

2016年12月16日、日本共産党の綿貫英彦市議は、市議会の一般質問に立ち、中小企業振興条例の改正、「要支援」サービスの緩和問題を取り上げました。

中小企業振興条例の改正は長年中小業者が要求するとともに、日本共産党も2015年9月議会などで市長に求めてきました。こうした中で、高島市長は抜本改正の意向を2016年6月議会で表明、中小企業振興審議会に「素案」が示されていました。

質問の中で、「素案」には共産党が要求した「市の責務」「大企業・金融機関の役割」「小規模事業者への配慮」などが盛り込まれたことが明らかになりました。

しかし、13条には「新たな成長の促進」として「海外市場への事業展開」「観光・MICE」「企業立地の促進」などを定めた条項が盛り込まれました。

綿貫市議は、海外展開支援を望む中小企業が市のアンケートでも5%しかないことを明らかにするとともに、「観光・MICE」「企業立地の促進」が小規模企業にどういう経済効果をもたらしているのかを尋ねましたが、市は具体的なデータをまったく示せませんでした。

綿貫市議は「髙島市政は市内に7万3000社ある中小企業に対してわずか2億2285万円、1社あたり3000円ほどしか予算をつけていない。この少ない支援が、ますますグローバル企業や大企業の系列企業に奪われて、それが『中小企業支援』の名でまかり通っていく」と批判。これらの規定の削除を迫りましたが、市長は拒否しました。

他方で、小規模企業に対する規定は、11条の中に「配慮」として1箇所あるだけ。綿貫市議は「不十分」と指摘し、「小規模企業振興基本法」での位置づけにふさわしく、条例の柱とするよう求めました。

このほか綿貫市議は「市の責務」に中小企業の意見反映、人材確保や受注機会の増大を具体的に盛り込むこと、金融機関・大企業の横暴への規制策を定めるよう求めました。経済観光文化局長は中小企業の意見反映を盛り込むことは「検討する」と述べました。

介護の問題では、福岡市でも2017年4月から「介護予防・日常生活支援総合事業」が始まりますが、「要支援1・2」のうち訪問介護・通所介護の一部がヘルパー資格のない人でもできるようになり、報酬も3割引き下げられます。

これらの無資格者は18時間の研修を受けるとされていますが、実技は含まれていないことが質問で判明。有資格者のヘルパーが講義40時間、実技90時間、合計130時間を受講するのと比べ大きな差があることが浮き彫りになりました。

さらに、ヘルパーの賃金が今でも低いのに、3割も下げたら最低賃金に抵触しかねないと批判。報酬切り下げで、事業所でも年間1200万円もの減収になるとの声が出ていることを紹介しました。

国の事務連絡で、報酬設定では事業者との協議をするように強調しているのに、福岡市は協議をしていないことも質疑の中でわかりました。

綿貫市議は、要支援1・2の切り捨てをやめるよう国に求め、その間、市の責任で報酬単価を現行通り(10割)にすべきだと迫りました。保健福祉局長は「報酬額は妥当だ」と答弁し、市長も「多様なサービスを提供し、新たな介護の担い手を育成する」などとして見直しをしない考えを表明しました。

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